古代(前1万年〜500年)
農耕が各地で始まり、都市・文字・国家が現れ、ユーラシアの各地に広い版図を持つ国家が並び立つまで。
この区間について
前1万年から500年までを扱います。年代の確かさは、確定70件、およそ102件、諸説あり11件です。古い時代ほど「およそ」が多く、紀元前後からは特定の年を示せる項目が増えます。地域の内訳はヨーロッパ45件、東アジア38件、西アジア・中東36件、アフリカ21件、南アジア・東南アジア17件、日本14件、南北アメリカ10件、オセアニア2件です。
農耕の広がり
農耕は一か所から広がったのではなく、各地で別々に始まったことが年表からも読み取れます。前8000年ごろ長江流域で稲作、前7000年ごろメソアメリカでトウモロコシの栽培化、前6500年ごろヨーロッパへの農耕の伝播、前4500年ごろニューギニア高地での初期農耕が収録されています。西アジアでは前5500年から前3800年のウバイド期に灌漑農耕が行われました。
文字と都市
前3300年ごろシュメールで楔形文字、前3200年ごろエジプトでヒエログリフが成立し、記録の残り方が大きく変わります。前3100年のエジプト第1王朝、前2900年から前2350年のシュメールの都市国家群、前2600年から前1900年のインダス文明の都市期、前1600年からの殷(商)が、この段階の主な国家です。技術では銅の冶金(前4500年ごろ)、車輪(前4000年ごろ)、馬の家畜化(前3500年ごろ)、鉄器の普及(前1000年ごろ)を収録しています。
広い版図を持つ国家
前2334年のアッカドのサルゴンによるメソポタミア統一以後、各地に広い版図を持つ国家が現れます。西アジアでは新アッシリア帝国(前911年〜前609年)、アケメネス朝ペルシア(前550年〜前330年)、東アジアでは周、春秋・戦国を経て前221年の秦による統一と漢(前202年〜220年)、南アジアではマウリヤ朝(前321年〜前185年)、地中海では前509年のローマ共和政の開始から前27年の帝政の開始へと続きます。アレクサンドロス3世の東方遠征(前334年〜前323年)とヘレニズム諸王国の分立も収録しています。
宗教と思想
前563年のゴータマ・シッダールタの生誕、前551年の孔子の生誕、前550年ごろのゾロアスター教の成立、30年のナザレのイエスの処刑が、この区間の宗教・思想に関わる主な項目です。ローマ帝国では313年のミラノ勅令、325年のニケーア公会議、392年のキリスト教の国教化が続きます。生誕年などには諸説があるものも含まれ、その場合は個別の出典を付けています。
ユーラシアの外側
南北アメリカでは前1200年から前400年のオルメカ文明、前1000年から前300年のチャビン文化、1年から600年のテオティワカンの繁栄、250年から900年のマヤ古典期を収録しています。オセアニアでは前1500年から前500年のラピタ文化の太平洋拡散が、人の移動の大きな動きにあたります。
区切りについて
500年という区切りは便宜的なものです。この前後には、375年から568年のゲルマン諸集団の移動、395年のローマ帝国の東西分割、476年の西ローマ帝国皇帝の廃位が並び、東アジアでは南北朝の分立が続いていました。地域によって時代の変わり目は異なるため、年表では同じ年に一律の意味を持たせていません。日本では前900年から前300年の水田稲作の広まり、250年から300年ごろの前方後円墳の出現、300年から600年のヤマト政権の形成を収録しています。
主な出来事(26件)
年表に収録した中から、表示の優先度が高い項目を抜き出しています。出来事名を押すと、年表のその位置が開きます。
| 年代 | 地域 | 出来事 |
|---|---|---|
| 前8000年 | 東アジア | 長江流域における稲作の開始 上山・彭頭山などの遺跡で栽培化の痕跡が確認される。 |
| 前7000年 | 南北アメリカ | メソアメリカにおけるトウモロコシの栽培化 テオシントからの選抜による。 |
| 前3300年 | 西アジア・中東 | 楔形文字の成立(シュメール) ウルクなどの都市で記録用の文字体系が成立。 |
| 前3100年 | アフリカ | エジプト第1王朝の成立 上下エジプトの統一とされる時期。 |
| 前2600年〜前1900年 | 南アジア・東南アジア | インダス文明の都市期 モヘンジョダロ、ハラッパーなどの都市が営まれた。 |
| 前2334年 | 西アジア・中東 | アッカドのサルゴンによるメソポタミア統一 記録に残る最初期の広域国家。 |
| 前1600年〜前1046年 | 東アジア | 殷(商) 現存する中国最古の体系的文字資料を伴う。 |
| 前1550年〜前1069年 | アフリカ | エジプト新王国 シリア・ヌビアへ勢力を広げた時期。 |
| 前1500年 | 南アジア・東南アジア | アーリヤ語派集団のインド北西部への移動 段階的な移動とされ、年代には幅がある。 |
| 前1046年〜前256年 | 東アジア | 周 封建的な統治と青銅器・礼制が整えられた。 |
| 前563年 | 南アジア・東南アジア | ゴータマ・シッダールタの生誕 生没年には複数の説がある(前563年説・前463年説など)。 |
| 前551年 | 東アジア | 孔子の生誕 魯の出身。後に儒家の祖とされた。 |
| 前550年〜前330年 | 西アジア・中東 | アケメネス朝ペルシア 西アジアからエジプト・インダスに及ぶ広域を統治した。 |
| 前500年〜前449年 | ヨーロッパ | ペルシア戦争 アケメネス朝とギリシア諸ポリスの戦い。 |
| 前431年〜前404年 | ヨーロッパ | ペロポネソス戦争 アテネとスパルタを軸とする長期戦。アテネが敗れた。 |
| 前334年〜前323年 | 西アジア・中東 | アレクサンドロス3世の東方遠征 マケドニアからインダス川流域に至る軍事行動。 |
| 前321年〜前185年 | 南アジア・東南アジア | マウリヤ朝 南端を除くインド亜大陸の大半を統合した最初の王朝。 |
| 前221年 | 東アジア | 秦による中国の統一 度量衡・文字・貨幣の統一が行われた。 |
| 前218年〜前201年 | ヨーロッパ | 第2次ポエニ戦争 ハンニバルのイタリア侵入とザマの戦いを含む。 |
| 前202年〜220年 | 東アジア | 漢 郡県制と儒学の官学化が進んだ。新の時期を挟む。 |
| 前27年 | ヨーロッパ | ローマ帝政の開始 オクタウィアヌスがアウグストゥスの称号を受けた。 |
| 30年 | 西アジア・中東 | ナザレのイエスの処刑 年代は30年頃または33年頃とされ、確定していない。 |
| 250年〜900年 | 南北アメリカ | マヤ古典期 文字・暦・数学を備えた都市国家群が並立した。 |
| 320年〜550年 | 南アジア・東南アジア | グプタ朝 数学・文学が発達し、十進法の記数法が整えられた。 |
| 395年 | ヨーロッパ | ローマ帝国の東西分割 以後、両者は別個に統治された。 |
| 476年 | ヨーロッパ | 西ローマ帝国皇帝の廃位 ロムルス・アウグストゥルスの退位。東ローマ帝国は存続した。 |
世界人口の推計(百万人)
1950年以前は研究者によって推計に幅があります。下限のみが示されている年もあります。
| 年 | 推計(百万人) |
|---|---|
| 前10000年 | 1〜10 |
| 前8000年 | 5(下限のみ) |
| 前6500年 | 5〜10 |
| 前5000年 | 5〜20 |
| 前4000年 | 7(下限のみ) |
| 前3000年 | 14(下限のみ) |
| 前2000年 | 27(下限のみ) |
| 前1000年 | 50(下限のみ) |
| 前500年 | 100(下限のみ) |
| 前400年 | 162(下限のみ) |
| 前200年 | 150〜231 |
| 1年 | 170〜400 |
| 200年 | 190〜256 |
| 400年 | 190〜206 |